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ウォールアートと屋外広告物条例

ウォールアートと屋外広告物条例

建物外壁へのウォールアート制作時には、
都道府県で定める屋外広告物条例を確認する。

ウォールアートと屋外広告物条例

theart1517 ウォールアートはあくまでもアートであり広告物ではないため、アーティスト創作物のアートとして屋外広告物条例が適用されることはありませんが、創作するデザインが企業や店舗の広告や看板に該当する場合においては屋外広告物とみなされる場合があります。

例えば、「パン屋さんの入る店舗の外壁に販売するパンをウォールアートで描く」などが考えられます。もしこのパン屋さんの外壁に描くウォールアートが「自転車に乗った少年」や「街からみる山々の風景」であった場合は、屋外広告物にみなされる場合はありません。このように屋外広告物とみなされる場合は、申請が必要になる場合がありますのでご注意ください。

また、ウォールアートが明らかに特定企業や商品の宣伝に該当する場合も同様に屋外広告物とみなされる場合があるため、企業担当者様がウォールアート制作をご依頼いただく際は、「アート」と「広告デザイン」のいずれに該当するのか自社の要望を見極め、もし屋外広告物に該当するようであれば、屋外広告物条例を予め確認する必要があります。

また、建物外壁へのウォールアートの場合、この屋外広告物条例だけでなく、該当地域地区の自治体で規定される景観条例の確認も必要となりますので、併せて事前の確認が必要です。

景観条例NGでも屋外広告物としてウォールアート制作を行うとOKなケースも

theart1518 外壁へのウォールアート制作に最も関係してくる規制には景観法や景観条例があり、地域地区によっては内容を問わず、屋外へのウォールアート自体ができないエリアも多数存在しています。東京都内では、両国国技館のある「両国」のエリアや、国立競技場のある「千駄ヶ谷」エリアなどが該当し、厳しい規制が敷かれています。

一方、自治体の景観条例で規制されたエリアでも、屋外広告物としての扱いであれば一定条件のもとウォールアートの制作を行うことができる場合があります。その場合、企業や店舗に関係する情報(例えばロゴマークや社名または商品・サービスなど)をデザインとして加える必要がありますが、純粋なウォールアートとするか、屋外広告物とするかにより、ウォールアート制作の可否が異なる場合がありますので、景観条例に抵触しウォールアート制作が難しい場合は、この屋外広告物としての取り扱いも視野に入れ、地域地区の自治体に確認されるのもひとつの方法です。

屋外広告物が禁止されているエリア(東京都の場合)

屋外広告物条例では、屋外広告物の「禁止区域」を条例として定めています。また、知事の許可を受けることにより屋外広告物を出せる地域や場所を「許可区域」として条例で定めています。禁止区域であっても、すべての広告が禁止されているのではなく、一定の要件を満たせば禁止区域や禁止物件でも広告物が出せる場合があり、屋外広告物としてのウォールアート制作が可能な場合(適用除外広告物)があります。なお、禁止区域に出すことができる広告物は、形や大きさなどの規格に定める基準に合っている必要があります。

禁止区域

区分 禁止区域・禁止物件 主な適用除外広告物 主な適用除外広告物
禁止区域 禁止されている区域・地域の例 許可を受けて出せる広告物 許可が不要な広告物
禁止区域 ・第1種・第2種低層住居専用地域
・第1種・第2種中高層住居専用地域
・田園住居地域
・特別緑地保全地区
・景観地区のうち知事が指定する区域
・旧美観地区
・保安林
・文化財保護法の建造物及びその周囲
・歴史的又は都市美的建造物及びその周囲
・文化財庭園等の周囲
・墓地、火葬場、葬儀場、社寺、教会
・国、公共団体の管理する公園、緑地、運動場、動物園、植物園、河川、堤防、敷地、橋台敷地
・国立公園・国定公園・都立自然公園の特別地域
・学校、病院、公会堂、図書館、博物館
・美術館、官公署等の敷地
・道路、鉄道及び軌道の路線用地及びそれに接続する地域で知事の定める地域
・前記に掲げるもののほか、別に知事が定める地域
・自家用広告物で条件に合うもの(以下参照)
・道標・案内図板等の広告物で、公共的目的をもって表示するもの
・電柱等を利用し公衆の利便等の用に供するもの
・知事が指定した専ら歩行者の一般交通に供する道路に表示するもの
・規則で定める公益上必要な施設又は物件に表示するもの
・自家用広告物で条件に合うもの(以下参照)
・他の法令の規定により表示するもの等
・国又は公共団体が公共的目的をもって表示するもの
・公益を目的とした集会や催し物等のために表示するはり紙、はり札等、広告旗、立看板等、広告幕及びアドバルーン
・自己の管理する土地等に管理上必要な事項を表示するもの
・冠婚葬祭や祭礼のためのもの
・公益を目的とした行事、催物等のために表示するプロジェクションマッピングで公益性を有するもの

自家用広告物の適用除外(東京都の場合)

自社の社名・店名・営業内容を自己の住所に表示する広告を総じて「自家用広告物」と言いますが、許可区域や禁止区域であっても以下の表の通り許可が不要な範囲の面積内であれば申請なしに広告物として掲示することができます。地域地区により禁止されている事項や表示できる面積が決められているため注意が必要です。また、許可が不要な面積を超えた場合、許可区域内は許可の一般規格に適合すれば申請できますが、禁止区域内は規定された合計面積までとなります。

自家広告物の適用除外基準(許可区域及び禁止区域内)

地域・地区等 禁止されている事項 ※路線用地や都市高速道路、東海道新幹線、中央高速道、東名高速道等に接続する禁止区域内の禁止事項 ※路線用地や都市高速道路、東海道新幹線、中央高速道、東名高速道等に接続する禁止区域内の禁止事項 ※路線用地や都市高速道路、東海道新幹線、中央高速道、東名高速道等に接続する禁止区域内の禁止事項
1.第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域、田園住居地域
2.風致地区
3.特別緑地保全地区
4.国立公園、国定公園、都立自然公園の特別地域
5.第1種文教地区(許可区域)
6.保安林
・屋上への取付け ・壁面からの突出 ・ネオン管の使用 ・光源の点滅
・赤色光の使用(表示面積の1/20以下は使用できる ※以下この表において同じ)
合計が5m²以下 ・合計が20m²以下。

ただしこの場合、事業・営業内容を含めることはできません。

(学校及び病院は50m²以下)
7.文化財保護法により指定された建造物及びその周辺、歴史的・都市美的建造物及びその周囲並びに文化財庭園など歴史的価値の高い施設の周辺地域で知事の定める地域 ・屋上への取付け
・光源の使用
・高彩度の色彩の使用
・光源の点滅
・赤色光の使用
・露出したネオン管の使用
上記1から6まで及び8の地域内合計が5m²以下、上記9から13までの地域内合計が10m²以下 ・合計が20m²以下。

ただしこの場合、事業・営業内容を含めることはできません。

(学校及び病院は50m²以下)
8.全域 橋、高架道路・高架鉄道及び軌道、石垣等からの突出 ・光源の点滅
・赤色光の使用
・露出したネオン管の使用
合計が5m²以下 ・合計が20m²以下。

ただしこの場合、事業・営業内容を含めることはできません。

(学校及び病院は50m²以下)
9.第2種文教地区(許可区域) 橋、高架道路・高架鉄道及び軌道、石垣等からの突出 ・光源の点滅
・赤色光の使用
合計が10m²以下 ・合計が20m²以下。

ただしこの場合、事業・営業内容を含めることはできません。

(学校及び病院は50m²以下)
10.第1種・第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域(許可区域)
11.都市計画区域のうち用途地域の未指定地域(許可区域)
橋、高架道路・高架鉄道及び軌道、石垣等からの突出 ・光源の点滅
・赤色光の使用
・露出したネオン管の使用
合計が10m²以下 ・合計が20m²以下。

ただしこの場合、事業・営業内容を含めることはできません。

(学校及び病院は50m²以下)
12.上記10の地域内旧美観地区
13.上記10の地域内の新宿副都心地区
・屋上への取付け
・光源の点滅
・赤色光の使用
・露出したネオン管の使用
・光源の点滅 ・赤色光の使用 ・露出したネオン管の使用 合計が10m²以下 ・合計が20m²以下。

ただしこの場合、事業・営業内容を含めることはできません。

(学校及び病院は50m²以下)

【まとめ】屋外広告物条例は都道府県により異なるので注意!
ここまで、ウォールアート制作時に留意すべき屋外広告物条例を東京都を例にしてご説明してきましたが、屋外広告物条例は都道府県により異なりますのであくまで東京都を一例とした参考としてご参照ください。実際にウォールアート制作を行う場合には、該当する都道府県の屋外広告物条例を確認するほか、景観条例に抵触しないかも併せて確認のうえ実施することが大切です。